2022年の抱負
新たな年を迎えました。
今年はどのような一年になるでしょう。
個人的には、翻訳のクオリティをさらに向上させるとともに、仕事の幅をもっと広げていきたいと思っています。
プライベートの方も、昨年は少しバタバタしていたので、今年は穏やかに過ごせることを願っています。
そこで、新たな一年のスタートを切るにあたり、抱負をまとめることにしました。
1.毎日ブログを書く(下書きでもOK)
2.毎月定例トライアルを提出する
3.クラウン会員を取得する
4.ほんやく検定1級に合格する
仕事面では、以上を達成したいと考えています。
わかりにくい文章の例
昨日のエントリで予告したわかりにくい文章の例として、
今回は、能動態と受動態が混在しているケースを取り上げてみたいと思います。
まず、翻訳をしていて自分がつい書いてしまうわかりにくい文章に、次のようなものがあります。
「メディアがワークスペースからブラウザまたはエクスプローラーにドラッグされると、〇〇ツールがそのファイルをダウンロードし、選択した保存場所に保存されます。」
このような訳文は、原文に引きずられている典型的なもので、必ず改訳しなければなりません。
上記の文がわかりにくい原因は、視点が統一されていないから、そして能動態と受動態が混在しているからです。
それでは、どのように書き直せばよいでしょうか。
今回の場合、視点が統一されていないことで能動態と受動態が混在する結果になっています。
したがって、視点を統一して書けば、必然的に態の混在も解消されます。
具体的に言うと、上記の訳文は「メディア」が主体なので、これを主語にすればよいのです。
上記の点を踏まえて改訳したのが次の訳文です。
「メディアがワークスペースからブラウザまたはエクスプローラーにドラッグされると、そのファイルは〇〇ツールによってダウンロードされ、選択した保存場所に保存されます。」
これなら、一読して意味がのみ込めるのではないでしょうか。
視点を統一する(続き)
昨日のエントリは途中までしか書けなかったので、その続きを書きます。
次のような文章でした。
「従業員はこのソリューションを使うことで、チーム内のコミュニケーションやコラボレーションを促進し、作業効率が飛躍的に向上します。」
この文章は、何となく読みにくいと思われますが、一体どこが問題なのでしょうか。
まず、わかりやすくするために、文章を少し分解してみましょう。
主語は「従業員は」です。
これに対応する述語は、「使う」「促進し」です。
「向上します」はどうでしょうか。
「向上します」に対応する主語は、「作業効率が」です。
このように、一文内に主語と述語が複数あると、視点が統一されなくなり、一読して内容がすっと頭に入ってこなくなります。
読みにくい文章の例として、能動態と受動態が混在しているケースもあります。
それについては、次のエントリで書いてみたいと思います。
翻訳をしていると、原文に引きずられて、つい上記のような文章を書いてしまいがちなので気をつけたいものです。
視点を統一する
文章を読みやすくするには、視点を統一して書く必要があります。
全体的な視点はもちろん、一文の中でも視点が統一されていないと読み手は混乱します。
例えば、次のような文章はどうでしょう。
「従業員はこのソリューションを使うことで、チーム内のコミュニケーションやコラボレーションを促進し、作業効率が飛躍的に向上します。」
インプットとアウトプット
文章においてインプットとアウトプットと言えば、読むことと書くことになります。
翻訳の質を高めるにはこの両方を常に意識してトレーニングを積んでいかなくてはなりません。
私は、インプットは日頃からやっていますが、アウトプット、つまり書くことはこれまであまりやってきませんでした。
日常生活において、読む機会はあっても、書く機会はあまりないのではないでしょうか。
そこで、ブログを始めたというわけです。
アウトプットするための手段として、これからもブログを徹底的に活用していきたいと思います。
文章のメリハリについて
一読してわかりやすい文章というのは、メリハリのある文章だと思います。
文章にメリハリをつけるにはどうすればいいか。
その答えは、接続詞と機能語をうまく活用すること、と言えるのではないでしょうか。
「しかし」「一方」「ところが」「したがって」などの接続詞を使うことで、文章の流れを明快にできるし、後続の文章を強調することもできます。
機能語とは、「こそ」「すら」「さえ」「だけ」など、それ自体では意味を持たず統語的な役割を果たす語のことです。接続詞も機能語のようです。
これらの語を効果的に使えば、メリハリのある文章を書けるようになるでしょう。
例えば、
「営業部門には英語力が求められる。技術部門にも英語力が求められる。」
という文章を機能語を使って書き換えると、
「英語力を求められるのは営業部門だけではない。技術部門にこそ英語力が必要なのだ。」
のようになり、読みやすさやメリハリを数段高めることができます。
書くことの難しさ
納品した後に自分の訳文を読み直すことは、なかなか勇気のいることだと思います。
上手く訳せている箇所はあるものの、たいてい目に付くのは下手な箇所です。
読んでいて突っかかる、
文末が単調、
修飾関係が不明瞭、
論理が自然に流れていない(全体として何を言いたいのかわからない)
などが多く見受けられて、結構落胆します。
したがって、納品後の訳文はできる限り忘れ去りたいのですが、それではいつまでたっても力が付きません。
なぜ上記のような難点があるのか、それらをどうすれば解決できるのかを吟味する必要があります。
そこで、まず、文末が単調になる件を考えてみたいと思います。
具体的には、
~です(あるいは、~ます)が連続する、
~できます、が連続する、
などです。
修飾関係が不明瞭というのは、多くの場合、およびとかまたはを使って並列関係を表している文で見られます。