わかりにくい文章の例
昨日のエントリで予告したわかりにくい文章の例として、
今回は、能動態と受動態が混在しているケースを取り上げてみたいと思います。
まず、翻訳をしていて自分がつい書いてしまうわかりにくい文章に、次のようなものがあります。
「メディアがワークスペースからブラウザまたはエクスプローラーにドラッグされると、〇〇ツールがそのファイルをダウンロードし、選択した保存場所に保存されます。」
このような訳文は、原文に引きずられている典型的なもので、必ず改訳しなければなりません。
上記の文がわかりにくい原因は、視点が統一されていないから、そして能動態と受動態が混在しているからです。
それでは、どのように書き直せばよいでしょうか。
今回の場合、視点が統一されていないことで能動態と受動態が混在する結果になっています。
したがって、視点を統一して書けば、必然的に態の混在も解消されます。
具体的に言うと、上記の訳文は「メディア」が主体なので、これを主語にすればよいのです。
上記の点を踏まえて改訳したのが次の訳文です。
「メディアがワークスペースからブラウザまたはエクスプローラーにドラッグされると、そのファイルは〇〇ツールによってダウンロードされ、選択した保存場所に保存されます。」
これなら、一読して意味がのみ込めるのではないでしょうか。